香霖ぐマイウェイ3




 妖怪が渦巻く地域と細々と人間が暮らす里の中間にある香霖堂。
変身時の事は記憶に無い(過去ニ作参照)香霖は
売上は少ないが平和な日々を送っていたが―――

 騒がしい姉妹がやってきた。


「ここが香霖堂、そして貴方が森近霖之助ね?」
「…そうですけど?」
「庭の手入れをする道具は無い?」
「一応ありますが…外の世界の物なので…使い方は分かります?」
「分かんない♪」
「そりゃリリカには分かんないだろうけど…姉さん知ってる?」
「私も分からないわ、音楽以外は疎いもの。」
「う〜ん…どうする?姉さん」
「どうしよ…持って帰っても庭の手入れする人も分からない可能性あるし…」
「ん〜…そうだ!森近クンに白玉楼に来てもらえばいいんだよ♪」
「リリカにしてはナイスアイデアね。そうしましょう!」
「あの〜僕の意見は…(しかも君付け)」
「そうと決まったら早く行こう!」
「い…行くってどこへ行くんですか?ってうわっちょっと!」
「冥界に決まってるじゃない、さあ!」
「わあっ!まっ待った!僕はまだ死にたくなぁーい!」

―――そして白玉楼へ

「さあ着いたわ」
「あ、あれ?死んでない…」
「当たり前じゃない、私たちの役目は終わったから帰るわね。」
「まっ待ってください!こんな幽霊だらけのところに一人なんて嫌だぁー!」
「そう言われても私達も霊だし…まあ面倒だし、じゃあね!」
「待ってぇー!!!」





「ああ…行っちゃった…しょうがない…怖いけど用事をさっさと済ませよう」

 一人トボトボと長い階段を歩きだしやがて庭についた。

「広いなぁ〜、ここを手入れするならコレが必要にもなるか。ん?」

 香霖の頭上、果てしなく広い庭に無数にある大木の枝に一人の少女がいた。
騒霊が言っていた庭師なのか何やら作業をしているようだ。

「あの娘だな、道具の説明してさっさと帰してもら…おおっ!」

 高い所に登っているせいで香霖の位置からはスカートの中が丸見えだった。

「う〜ん、いいアングルだ…そうそう、もうちょっと足を開い…あ」
「だ、誰っ!?ちょっと覗かない…でぇっ!?」

 ―ドシーンッ!―

 慌てたせいか飛ぶのも忘れバランスを崩して少女が落ちてきた。
そしてそのままスカートの中を食い入るように見ていた香霖も
逃げるのが遅れぶつかってしまった。

「あいたた…」
「ん〜…あっこの感触…柔らかい…ハァハァ」

 香霖の運が良かったのか
ちょうど庭師の少女の股の間に香霖の顔が、
香霖の下半身の位置に少女の顔がある、という態勢になっていた。

「きゃぁっ!何をしている!離れろっ!」
「そっちが上なんだからそっちが離れ…いや、無理して離れなくてもいいんだ…よォッ!」

 言い終わる前に少女が立ち上がり顔を真っ赤にして香霖に蹴りを入れる。

「すっ済まない…わざとじゃな…いてっ!」
「うるさい!嫌らしい顔で覗いていたではないかっ!」
「いやいやそれも偶然上に君がいたから…」
「やかまし…イヤぁ!そ、そんなにソコを硬くして…こ、この下衆め!切る!」

 言い訳をし終える前に香霖は少女が持っていた短い刀で切りかかられた。
突然だったせいか逃げ切れず少し切られてしまった。

「白楼剣はかわしたか…だが二撃目の楼観剣で成敗…うわっ!」
「うっうう…フォオオオオオ!!!クロスアウッ!」

 密着状態で股に顔を埋めていた時の興奮と白楼剣で迷いを断ち切られた香霖は
完全に開き直ったのか通算三度目となる変態への変身を遂げた。
そして全裸に網タイツ、両手を頭の後ろで交差させるというお馴染みのポーズを決めた。
何も身に付けていない股間からは隆々としたモノがそそり立っている。

「ひぃっ!ふ、不浄な…何たる不浄な!し、しまえ!さっさとしまわんかっ!」
「不浄?これを不浄と言うては男が萎えますぞ?
 そもそもコレは男にも女にも有難きモノではござらんか。」

 堂々と見せ付けながらにじり寄ってくる香霖の姿に
全身から悪寒を感じながらも精一杯怒気を放つも効果は無かった・・・

「うっうぅ…気持ち悪いが仕方ない…一気に終わらせる!獄神剣『業風神閃斬』」

 一瞬、周りの空気が静かに流れ出す。
弾幕と共に一閃で切り捨てようとしたが香霖は見切っているかのように
先回りしどこからどのように襲い掛かってくるか分からない弾幕を
ウネウネとした腰の回転で避けきった。

「かなりの腕前だな…しかしこの変態の前では児戯に等しい…ではこちらもスペルを出そう」
「極芯剣『剛棒侵染惨』」

 先ほど妖夢が放ったスペルと同じ空気の流れ、同じ斬撃と弾幕を
香霖の股間に生えている剣で再現する。
弾幕の弾の形はお馴染みの御玉杓子を模ったものだ。

「ひっうわぁっ!」シュッ!べとぉ・・・

 戸惑ったものの自分が使うのと同じような軌道の弾幕。
回避こそ遅れたが逃げ損ねた分は二つの剣で弾き返した。

「やるじゃないか…久々に楽しめそうだ」
「くっお爺様から受けついだ楼観剣に変な液が…絶対切る!」
「幽鬼剣『妖童餓鬼の断食』!!!」
「ふんっ・・・雄鬼剣『尿道臭気の男色』」
「また…同じ弾幕で消された…あ、あんな卑猥なモノで…」
「さあどうする?もう終わりかな?」
「このままでは消耗戦…それだけは避けなければ…」
「ほぉ〜らほぉ〜ら来ないならこっちから行くぞぉ〜」
「こうなれば・・・一気に決める!(お爺様、力を貸して…)人鬼『未来永劫斬』」
「むっ!?これは…仕方が無い、本気で避けるか!」

 少し後ろに下がり、体勢を直した直後に目に見えぬ速度で一閃する妖夢。
しかし、ありとあらゆる物を切り裂くかと思われた刃の流れに同化するように香霖は
己の全身を白い弾幕で包み身体を宙に浮かせ剣と同じ軌道で流れるように避けきった。

「と・・・とっておきの奥義が…そ、そんな…みょんな事が…あ…あ」
「流石だな、児戯と言ったことは詫びよう。しかしもう打つ手は無いようだな。
 貴女には最大限の敬意を表して苦しまぬよう逝かせてやろう…」

―ケツ界「精と胴の禁泳」―

 呆然と膝をつく妖夢に遅い弾と速い弾が絶妙のコンビネーションで襲い掛かる。
香霖がその中をゆっくりと近づいてくる。
股間の状態を『静と動』と言わんばかりに上下させながら…

「安心して逝くがいい…本来の貴女ならパターン化で抜けきれるだろうが・・・」
「…もう…どうにでもするが…へ?うわっ!やっぱりタンマタンマ!」

 やられる覚悟はしていたがいざ目の前にブルンブルンと上下させる剛棒が近づいてくると
決意は簡単に崩壊した。
これまでの半生、初めて目にした異性のモノをこんな形で拝んだのだから仕方ないのかも知れない…

「タンマタンマ…?ではリクエストに応えて玉を召し上がってもらおうか」
「やっ…やっぱりイヤぁ!なんでもしますから許して!ソレを近づけないでぇ!」
「まあまあ…よく見なさい…この弾幕はこの袋の中で作られてるんだ…ホラホラぁ!」
「いっ…イヤイヤやめてぇ!ごめんなさいごめんなさ…んむぅ!」

 ピトッむにゅっ・・・むにょ…にゅりにゅり…

 棒の下に付いている袋を妖夢の顔に押し付け、ゆっくりと上下させ
満遍なく顔全体に這わせる。

「ほぉら恐くないだろう?柔らかいだろう?ほぉらほぉら…」
「おっ…棒が額で擦れて…うっ!済まない、弾幕を零距離被弾させてしまったね。」
「うへ・・・うへへ…男の人って…むにゅって…うへへ…みょんなぁ…」パタリ

 香霖の股間から開放された妖夢の顔は液体と化した白い弾幕でまみれながら
白目を向き薄ら笑いを浮かべたのち…気絶した。

「今回は中々だった…成敗っ!・・ん?」
「妖夢〜どこ行ったの〜?お腹すいたぁ〜おやつはぁ〜?」

 声がしたほうに見えたのは儚く、神々しい程に白い肌をした亡霊姫、西行寺幽々子だった。
昼寝から起きたばかりなのだろうか目を擦りながら歩いてくる。

「ん〜妖夢、こんなところで寝ちゃだめよぅ。」
「うへへ…えへへ…」
「これはこれは素敵なお嬢さんだ」

 お前が次のターゲットだと言わんばかりに幽々子の目の前で股間をブラブラさせる香霖。

「あらおいしそうなマツタケねぇ〜…今日のおやつはこれね♪」パクッ
「おおう!おっ…ぬっぬわぁ!痛いっ!痛い!」ガブッ
「ん〜ちょっと生臭いわね〜」ガリッガリッ

 予想外の行動と最も敏感な部分への激痛で変身が解け正気に戻った香霖だが
そんな事は知る由も無い幽々子はひたすら棒をかじり続ける。

「いっ痛いっ!はな・・・離してぇ!」
「生だと中々噛み切れないわ〜」ガブッブチィっ!
「…ぎゃああああっ!!!」

 血管が切れた音と同時に香霖は気を失った。
これが変態香霖、四戦目にして初の敗北だった…

                                    糸冬
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後書き

何か淡白になった気がするけどキニシナイ!
ラストは書いてて苦悶の表情になりました…痛そう…・・・・・・
でもまあヒーローには苦難も必要ということで。
次があるかどうかは知りませんが(オイ

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